Eテレ100分de名著_資本論 ものすごくハッとする

休職してから早1か月が経ちました。

この1か月間、のんびり過ごすことに徹する!と決断し、

資格の勉強なども一切せず、規則正しい生活の中で散歩したりヨガをしたり、読書をし瞑想をして過ごしています。

もし退職をしていたら、早々に求職活動を始め焦っていただろうと思いますが、こうして焦らずに過ごせているのは休職という身分であることの他に、もう同じような労働の仕事を選んで心身疲弊し辞める人生は繰り返さない・・と決断したことです。

 決断したとはいえ、やっぱり早く仕事をしなくては、、と焦る日もあるのですが、2021年1月から放送されているEテレの100分de名著「資本論」を観て、

私が選んだ決断は、多くの人たちが同じく感じていることなんだと改めて知り、自分一人ではない、という気持ちになれました。

 

番組でも言われていましたが、ここ数年は非正規雇用の割合が過半数を占めるようになり、消費の場もファストファッション、100円ショップ、ドラッグストアの店舗数からしても歴然ですが、自分も含め、20年前とは確実に大多数の所得が減ったことによる消費の変化を実感します。

 

番組第三回目のタイトルは「イノベーションがくそどうでもいい仕事を生む」でした。イノベーション=効率化。これまでずっとGoodWardと思ってました。。単純作業や手間のかかる仕事を効率化し作業時間を短縮したりミスを減らして早く帰れるようにする。理想的な側面だけを捉えていました。

ところが、早く帰れる分、別の仕事もやらなければいけなくなったりする。また作業工程をマニュアル化して誰でもできる仕事にする。これも仕事をわかりやすくするために良いことだと思い込んでいました。ところが、誰でもできるということは、その人の能力や技術を奪うことなのだと、番組では解説されており、これはショーゲキでした。何故なら、私の仕事は常にマニュアルを作ること、、誰でもできる仕事にすること、、だったからです。

新しく入ってくるスタッフに業務説明をするとき、マニュアルがないとものすごく不便ですし、新しく入ったスタッフは職場にマニュアルがないと、この会社はちゃんとしてない、と判断するでしょう。仕事を引き継いでいく、という点でマニュアル化するメリットは十分以上にありますが、それは反面、誰にでもできる仕事にするということでもあります。効率化、無駄をなくす、最短の手段でこなす作業。そのマニュアルがあれば、専任がいなくてもできるということになり、スタッフ一人ひとりの仕事に対する責任感が希薄になっていってしまう結果を招いているような気がします。

私のいた職場はそこまで殺伐とはしていませんでしたが、業務でイレギュラーがありマニュアルと違うことが発生すると、スタッフの時給を上げなきゃいけなかったり、ふてくされたりとか、悪いことではないんですが、すぐに権利を主張するスタッフの態度に違和感を覚えることは多かったです・・。

 

そして、いまこの番組を観て、この違和感の出どころは、マルクスが警告していた資本主義の危うさなのでは!?と気づかされた次第です。

マニュアルを与えられたスタッフは安い時給(決して安くはなかったですが・・)でつまらない労働をさせられているという被害者意識をあらわにし、私のような中間管理の立場はスタッフの労働を穴埋めをするという更なる労働が積み重なり心身を疲弊させるのだと・・。

 

100分de名著「資本論」来週は最終回。タイトルは『豊かな労働へ』です。

今この現実社会で生活していくにあたり、マルクスの「資本論」からどんな新しい解釈を解説してくれるのか、次回放送が楽しみです。